「私はずっと応援してるから」 堕胎後も彼女は変わらなく優しくしてくれた。ずっと私の世話を焼いてくれた。そうして高校三年生になり進学が視野に入ってきた。 付き合い始めたときに私が何となく「専門学校にいって美容師になる」と話していた際に、彼女は…

「ばあちゃん、彼女が妊娠した」 高校2年生の夏、彼女が妊娠した。私が泣きわめく中で、彼女は私の頭を擦っていた。私の涙は決して彼女に対してのものではない。私に対するものだった。その子供は私にとって不要だった。 私はずる賢く考えた。何とか私と彼女…

「君、吹奏楽部に入らない？」 私は両親や祖父母が望んだ地元の進学校に無事入学した。倍率1倍ちょっとで同じ中学校の人間が5割以上受験するといった条件下で試験に落ちる訳はなかった。 ただ両親、祖父母などは皆泣いて喜んだ。合格発表の際に泣き崩れる友…

「母さん、約束だからテレビ買ってね」 自分の部屋を手に入れるため学習に励んだ。中間、期末試験において学年で10位に入る程度はあっという間だった。簡単なことだった。こうして部屋を手に入れ、テレビやMDコンポ、プレイステーションなど次々と獲得してい…